スマホのメモに「資料作成」「ブログ」「SNS」と並べても、それだけでは相手が何を頼めるのか分かりません。「資料作成なら、最初から作るのか、手元の資料を直すのか」。この違いを決めるところから、副業の小さなサービスを作れます。
最初に用意するのは、できることの一覧より、誰の、どの資料に、何をして、何を渡すかが見える案内です。ここでは完成記入例を見ながら、対応範囲と終わり方を一枚のメモにまとめます。
最初のサービスは、相手が渡すものと受け取るものから決める
「資料を改善します」だけだと、相手は文章の代筆、デザイン、調査まで含まれると考えるかもしれません。自分が受ける作業を、受取資料と納品物の間に置いて説明しましょう。
- 相手の場面:誰が、何をする直前に困っているか。
- 受取資料:作業を始めるために、相手から何をもらうか。
- 対応範囲:どの部分を、何件・何枚まで扱うか。
- 納品物:文章案、比較表、修正コメントなど、何が手元に残るか。
- 完了条件:何を渡し、どの確認を終えたら今回の作業を閉じるか。
- 対象外:今回含めない作業と、追加相談が必要になる条件。
一つの項目が書けなければ、先に範囲を小さくします。たとえば資料全体の作成ではなく、既存資料の見出しだけ、ブログ運営全体ではなく、記事一本の構成だけから考えられます。
完成記入例:説明スライド5枚の見出し整理
以下は設計練習用の架空例です。実際の受注実績や提供サービスを示すものではありません。期限や修正回数も例なので、自分の稼働時間と相手の条件に合わせて決め直してください。
- サービス名
- 初めての勉強会向け・説明スライド5枚の見出し整理
- 対象者
- 小さな勉強会で自分の取り組みを説明する予定があり、説明スライド5枚をすでに作っている人。「何を伝える資料か」が見出しだけでは分かりにくく、発表前に流れを確かめたい場面を想定します。
- 受け取る資料
- 本人が作成した5枚以内のスライドをPDFで1点。あわせて、聞き手、発表の目的、予定する説明時間を各一行でもらいます。個人情報や勤務先・取引先の秘密情報は、共有前に除いた資料を受け取る設計にします。資料を共有してよいかも依頼者に確認します。
- 対応範囲
- 既存5枚について、各見出しの書き直し案を一つずつ作り、並び順の提案と理由を短く添えます。本文中の数字や事実の調査・検証、文章全体の代筆、スライドファイルへの直接編集は含めません。
- 納品物
- PDF形式の「見出し整理メモ」1点。元のページ番号、元の見出し、変更案、変更理由を5枚分まとめ、最後に推奨するページ順を記載します。例:3ページ目の「活動について」を「参加者が持ち帰れるもの」に変更し、目的の説明の後へ移す、といった形です。
- 納期と修正
- 必要な資料と条件を確認した翌営業日から3営業日以内に初稿を渡す、という設定例です。初稿後7日以内に、5枚分の見出しに関する確認事項を一度に送ってもらい、見出しの調整を1回行う想定です。実際の案内では対応できる期限を自分で確認します。
- 完了条件
- 5枚すべての変更案・理由・推奨順を記載したPDFを渡し、依頼者がファイルを開けることと合意した項目が揃っていることを確認します。修正依頼があれば合意した1回分を反映し、なければその旨を確認して完了とする案です。発表の評判や申込数は完了条件に含めません。
- 対象外
- 6枚目以降、新規スライドの作成、図・写真・デザインの制作、事実調査、専門的な内容の判断、発表練習、継続運用。初稿後に目的や聞き手を変える場合も、今回の修正に含めず範囲を再確認します。
この例の要点は「5枚の見出し整理」と「スライド全体の制作」を分けたことです。渡すメモの項目と確認回数まで決めると、相手も依頼する内容を具体的に検討できます。
価格を出す前に、作業と確認の時間を数える
資料を読む時間、案を作る時間、納品物を整える時間だけでなく、質問への返答と修正の時間も見込みます。実際の取引先資料を使う前に、自分で用意したサンプルで一度作業すると、どの工程に時間がかかるかを確かめられます。
価格を定額にするなら、その金額に含む枚数・納品物・修正回数を一緒に書きます。条件によって見積もるなら、見積もりに必要な資料と、金額を伝えるタイミングを示しましょう。作業範囲を決めずに、料金の数字だけを先に約束しないようにします。
案内に書く実績がまだない場合は、サンプルを「架空の制作例」「自主制作」と明記して見せられます。架空例を実際の顧客事例として掲載したり、売上や成果を保証したりしないでください。
コピーして使えるサービス設計メモ
誰の、どんな場面を助けるか:__
受け取る資料と必要情報:__
対応する作業と数量の上限:__
渡すものとファイル形式:__
納期の起点と日数:__
含める修正の範囲・回数:__
完了時に確認する項目:__
今回は含めないこと:__
料金の伝え方と、見積もり前に確認する条件:__
「対応範囲」と「対象外」が同じ作業を含んでいないか、納品物に約束した項目が揃うかを読み返します。空欄が残ったら、案内を公開する前に具体化してください。
案内にするなら、最初の一文と申込み前の確認を揃える
架空例を短い案内にすると、次のようになります。
初めての勉強会で使う、作成済みの説明スライド5枚の見出しを整理します。ページごとの変更案と理由、推奨する並び順をPDFのメモでお渡しします。本文の代筆やデザイン制作は含みません。資料と発表目的を確認したうえで、料金と納期をご案内します。
この一文の後に、受取資料、納期、修正範囲、完了条件を続けます。依頼者が確認する前に料金や作業を確定させず、合意した内容を後で見返せる形で残しましょう。
公開前には勤務先の副業ルールと、使用する資料の共有条件も確認します。準備の抜けを見たい場合は、会社員の副業準備チェックを使ってください。個別の契約や専門的な判断が必要なら、公式情報や適切な専門家へ確認します。
受注条件が決まったら、請求の準備へ進む
作業内容、金額、納期、完了条件が相手と揃ったら、請求書の宛名、送付方法、支払期日などを確認します。初めて請求書を送るときのチェックとメール例で、合意内容と請求書を照らし合わせられます。
請求書を作る道具が必要になった段階では、請求書ツールに必要な機能を決める7項目へ進みます。サービスの受付やページ制作の道具を選ぶ話と、請求書を作成・送信する道具の話を分けて考えてください。

